2020年10月30日

土地の価格のお話【一物四価】

弁護士 金田 恒平

弁護士の仕事をしていると,売買,贈与,相続,離婚の際の財産分与などの事案で,土地の価格が問題になる場面に多々遭遇します。

土地の価格には,いわゆる定価というものは存在せず,事案に応じて様々な方法により評価がなされるため,把握するのは容易ではありません。

土地を評価する際には,①実勢価格②公示地価③路線価④固定資産税評価額などの4つの価格が用いられます。

このように,1つの土地に4つの価格がつくことから,『一物四価』と言われています。

これらの価格は,次のような場面で用いられます。

【売買】

土地を売買する際には,『時価』が用いられます。

 

時価の算定にあたっては,『実勢価格』,すなわち,周辺の地域において,過去実際に行われた取引で成立した価格が用いられることが多々あります。

実勢価格は,国土交通省の土地総合情報システムで確認することができます
URLhttps://www.land.mlit.go.jp/webland/)。

システム上で,時価を知りたい土地の市区町村を入力すると,周辺地域の実勢価格が表示されます。

このシステムを利用することで,売買対象の土地の面積や立地と最も似通った土地の実勢価格を確認することが可能です。

 

また,土地の売買に際し,『公示地価』が時価の指標として用いられることもあります。

公示地価は,一般の土地の取引価格に対して指標を与えるために国が示す土地の価格であり,国土交通省が毎年1月1日時点の1㎡当たりの土地の価格を3月頃に発表しています。

公示地価は,公共事業用地取得や土地収用の際の補償額の算定基礎としても用いられています。

もっとも,公示地価は,国内の3万数千余の標準地しか発表されないため,標準地から離れた土地の価格については近くの標準地を参考にするしかないという難点があります。

 

【贈与税,相続税など】

土地を贈与したり相続したりする際に,国に贈与税や相続税を納めなければならない場合があります。

これらの税金を算定する際に用いられる価格が,『路線価』です。

 

路線価は,国税庁が毎年7月頃に,それぞれの道路に面した土地の1㎡あたりの価格を発表しています
URLhttps://www.rosenka.nta.go.jp/)。

この1㎡当たりの価格に土地の面積を乗じることで,贈与税や相続税の対象土地の評価額を算定することができます。

路線価は,公示地価の80%程度の価格になるように設定されています。

そのため,路線価を0.8で割り戻す,あるいは,路線価に1.25を乗じるという簡易な方法で,おおよその公示地価≒時価を算定することができます。

路線価は,国内の大部分の道路に面した土地の価格を迅速に算出できるので,実勢価格や公示地価などに比べ,特定の土地の時価を簡易に調べることが可能です。

そのため,弁護士報酬の算定のもととなる土地の時価を求める際に,路線価÷0.8,あるいは,路線価×1.25という数式が用いられることもあります。

 

なお,路線価は市街地において定められるため,地方の田畑や山林などの場合,路線価が定められていないことが多々あります。

この場合,路線価ではなく,対象土地の固定資産税評価額に国税庁が定めた倍率をかけて土地の価格を計算します。

この計算方法を倍率方式と言います。

各地域の土地の評価倍率は,上記の国税庁のホームページで確認することができます。

【固定資産税,都市計画税,登録免許税,裁判の訴額など】

これらを算定する際には,『固定資産税評価額』が用いられます。

 

固定資産評価額は,市区町村が3年に1度,4月頃に,固定資産税及び都市計画税を算定するために,地価の上昇・下落などの諸要素をふまえて設定します。

固定資産税評価額は,毎年送られてくる納税通知書や,各市区町村の資産税課で取得することができる固定資産税評価証明書により知ることができます。

土地の固定資産評価額は,公示地価の70%程度の価格になるように設定されています。

そのため,固定資産評価額を0.7で割り戻すという簡易な方法で,おおよその公示地価≒時価を算定することができます。

【おわりに】

このように,土地の価値を計る尺度として4つの価格があるということを覚えておかれると,事案ごとの土地の評価についての理解が進みやすいと思います。

我々弁護士も,それぞれの事案に応じて土地の価格を検討し,ご説明いたしますので,安心してご相談ください。

 

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