知らなきゃもったいない!!働く人を守る労働法

法律ミニ講義 2017年3月

弁護士 守重典子/Noriko MORISHIGE

第1 はじめに

現在,メディアで取り上げられることも多い労働問題。
今回は,働く上で知っておきたい労働分野の法律知識についてご紹介したいと思います。

第2 労働時間

1. 法定労働時間

これは,労働基準法(以下「労基法」といいます)で定められた労働時間のことです。法律上,法定労働時間は1日8時間,週40時間と定められています。

2. 所定労働時間

これは,皆さんの働く会社でも定められている,会社ごとのルールを定めた就業規則に定められた拘束時間から休憩時間を除いた時間のことをいいます。
例えば,下のような会社をモデルに考えてみましょう。

  • 始業時刻:午前9時
  • 終業時刻:午後5時
  • 休憩時間:正午から午後1時

この場合,午前9時から午後6時までの,休憩1時間を除いた8時間が法定労働時間となります。
所定労働時間は,午前9時から午後5時まで拘束される時間から,休憩時間を除いた7時間になります。
就業規則で,法定労働時間を超える所定労働時間を定めたものは無効となります。
もっとも,第3の項で説明するとおり,ある一定の要件を満たした場合には,時間外労働させることもできるということになっています。

第3 休憩・休日

1. 休憩

労基法は休憩時間についても定めています。
労働時間が6時間を超え8時間以内の場合は,少なくとも45分間,労働時間が8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を与えなければならないと定めています。
そして,休憩時間は,労働者に自由に利用させなければなりません。
この原則との関係で考えると,例えば・・・

「一応,休憩にはなっているけど,電話がかかってきたり,お客さんが来た時には対応するように指示された」
「仮眠時間になっているけど,何か緊急事態が起きたときには対応しなければならない」

このような場合には,労働から完全に解放されているとはいえないので,休憩時間とはならず,労働時間に含まれると考えられます。

2. 休日

労基法は,休日について,原則,毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないとされています。
また例外として,4週間を通じて4回以上の休日とすることも可能となりますが,この場合は,特定の4週間の起算日が就業規則で定められている必要があります。

3. 時間外労働・休日労働

まず,時間外労働とは,1日または1週の法定労働時間を超えた労働のことをいいます。休日労働とは,その名の通り,法定の休日における労働のことをいいます。
この時間外労働・休日労働をさせるには,以下の①②③を満たす必要があります。

  1. 使用者と過半数で組織する労働組合,または労働者の過半数を代表する者との間で書面による協定をすること(労基法36条に定めがあることから,サブロク協定と呼びます)
  2. サブロク協定を行政官庁に届出ること
  3. 時間外労働・休日労働について,労働者に割増賃金を支払うこと

労働者の側から見て,一番気になるのが,③の割増賃金です。
割増賃金については,以下のように定められています。

時間外労働:原則(※)2割5分以上の割増率
(※月60時間を超えた時間外労働の分は,5割以上の割増率)
休日労働:3割5分以上の割増率
深夜労働:2割5分以上の割増率
(深夜労働とは,午後10時から午前5時の間の労働のことをいいます)

例えば,下のような会社をモデルに考えてみましょう

  • 始業時刻:午前9時
  • 終業時刻:午後5時
  • 休憩時間:正午から午後1時

このような会社で,実際に午後11時まで勤務した場合は,以下のようになります。

法定労働時間である午後6時から午後10時までの労働については,時間外労働となるので,25%増の賃金となります。

そして,午後10時から午後11時までの労働は,時間外労働であるうえ,深夜労働となるので,50%増の賃金となります。(時間外労働の25%+深夜労働の25%)

なお,所定労働時間である午後5時から法定労働時間の午後6時までの労働についてですが,この時間については所定労働時間を超えてはいるものの,法定労働時間を超えていないため,会社の就業規則に定めがなければ,割増賃金は生じないこととなります。

4. 年次有給休暇

年次有給休暇が発生するには,以下の①②を満たす必要があります。

①雇入れの日から,6ヶ月間継続して勤務していること
②全労働日の8割以上出勤していること

上の①②を満たすと,6ヶ月に達した日の翌日に10労働日の年休権が発生します。
さらに,6ヶ月間を経過した日からの継続勤務年数ごとに有給休暇が付与される日数が加算されていきます。

5. 解雇制限

解雇は,労働者にとっては生活の基盤を奪われる重大な事由です。
そのため,簡単に解雇されることがないよう,以下のように,解雇についての制限が設けられています。

(1)法令による解雇制限

まず,労基法では,業務上の負傷や疾病による療養期間中とその後30日間,産前産後休業期間中とその後30日間は原則として,労働者を解雇できないと定めています。
また,それ以外にも結婚・妊娠・出産等を理由とする解雇,育児・介護休業を理由とする解雇等,労基法以外の法律でも,解雇制限が定められています。

(2)解雇権濫用法理

また,判例により,解雇は,「客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合」は,その権利を濫用したものとして無効となるという考えが確立され,この考えが明文化されたものが労働契約法に定められています。

「客観的に合理的な理由」とはどういう場合をいうかというと,

  • 勤務成績の著しい不良
  • 労働能力の喪失
  • 労働者の規律違反行為

などが主に考えられます。

また,「社会通念上相当」とは,どういう場合かというと,
解雇事由が重大な程度に達していて,他に解雇を回避する手段がない場合
などが主に考えられます。

以上

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