2017年10月23日

「ゲーム休暇」はダメ?

弁護士 水口 匠

 

2,3か月前,人気のロールプレイングゲームが発売となり,爆発的な売り上げが話題となりました。

私も,小さいころからこのシリーズのゲームのファンだったので、さっそく買って楽しませてもらいました。

 

ところで,このゲームが発売されてからしばらくして,情報番組などで,ゲームをしたいから有給休暇を取る若者が多いということが何度か取り上げられていました。

私の見る限りでは,この「ゲーム休暇」については否定的なスタンスの番組が多かった気がしました。

「仕事を休んでまでゲームをするのはいかがなものか」,「わざわざゲームをするからと言わなくても,それらしい理由を付ければいいのに」といったところでした。

 

日本人らしいといえばそうなのかもしれませんが、そのようなスタンスの番組が思った以上に多くて驚きました。

 

ゲームをするために有給休暇を取得することは,悪いことでしょうか?

 

有給休暇とは,一定の要件を満たした労働者に,法律上当然に認められている権利であり,労働者が休暇の始期と終期を指定すれば、使用者は原則としてその指定された時季に有給休暇を与えなければなりません(一定の例外はあります)。

 

そして,労働者が有給休暇を取得する場合,その休暇をどのように利用するかは労働者の自由であり,その利用目的について使用者が干渉することは許されません。

ですから,有給休暇を取得した労働者は,この休暇を使ってボランティア活動をしても,家族や友人,恋人と出かけても,1日中寝ていてもかまいません。もちろんゲームをしていても全く問題ないのです。

 

この,有給休暇の自由利用という観点から,そもそも使用者が,有給休暇を取得しようとする労働者に対して,休暇取得の理由を聞くということ自体,問題があります。

理由を言わなければいけないというのでは,利用目的が制限されるおそれがありますし,取得自体にも制限がかけられるおそれがあるからです。

 

そうすると,先のコメントについては,

 

「仕事を休んでまでゲームをするのはいかがなものか」:個人の感想としては構わないが,公共の電波を使って,情報番組のコメンテーターが言うべきことではない

「わざわざゲームをするからと言わなくても、それらしい理由を付ければいいのに」:問題はそこではなく,有給休暇を取得する際に,当たり前のようにその理由を聞いている会社の方が大きな問題

 

ということになります。

 

こんなことが番組として取り上げられることがなくなるほど,労働者が当たり前に有給休暇を取得できる社会を,法律は想定しています。

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