準備できていますか?無期転換ルール

弁護士 守重典子

 

平成24年8月に成立した改正労働契約法により,有期労働契約から無期労働契約へ転換する制度が定められました。

以下でご説明しますとおり,有期労働契約が5年を超えて反復継続される場合に無期転換への申込み権が発生するところ,同改正法の施行が,平成25年4月1日なので,平成30年4から無期転換の申込みが本格的になっています。

そのため,有期社員の方にとっても,有期社員を雇用している企業にとっても,この制度への対応が求められます。

 

既に,コラムの掲載が5月となっており,時機を失した感が否めませんが,今回は,このコラムの場を借りて,この無期転換ルールについて紹介したいと思います。

 

◆そもそも「無期転換ルール」って?

契約期間に定めがある方(パートタイマー,アルバイト,契約社員等)が,有期契約が更新され,5年を超えて反復更新された場合,有期契約労働者の申込みにより,契約期間の定めがない無期労働契約に転換される制度です。

 

例えば,契約期間が1年の場合は,契約が更新され,5回目の更新後の1年間に無期転換申込み権が生じます。

 

契約期間が3年の場合には,1回目の更新後の3年間に無期転換申込み権が発生します。(4年目に既に発生することとなります)

 

この制度は,有期社員として働く方たちがもつ,雇止めの不安を解消するとともに,有期社員が会社の戦力として定着している実態に,雇用形態を合わせるために導入されました。

 

◆有期社員の方が知っておく点

平成25年4月1日以降に開始した有期契約から5年が経過しているからといって,自動的に無期契約に転換されるわけではありません。

あくまでも,有期社員からの申込みが必要となります。

申込みは口頭でも可能ですが,書面でおこなった方が,後のトラブルを防止し,証拠化することができます。

書式のサンプルは,厚生労働省のHPにも掲載されていますので,ご覧ください。

 

また,無期契約申込み権を行使した後,どのような雇用契約の内容となるのか,あらかじめ就業規則を確認しておく必要があるでしょう。

 

◆有期社員を雇用する企業の方(人事担当の方)が知っておく点

まずは,現状雇用している有期社員の人数や職務内容,雇用開始時期を確認し,その社員の無期契約申込み権がいつ発生するのかを確認しましょう。

 

また,無期契約申し込み権が行使された後の契約内容をどうするのか(①単に,契約期間のみを変更するのか,②「正社員」と比較し,勤務地や労働時間,職務内容に制約をつける正社員として雇用するのか,③一般的な正社員と同等に扱うのか)についても検討が必要です。

 

場合によっては,就業規則の変更を検討する必要もあるでしょう。

 

 

既に無期契約申込み権は,本年4月より本格化していますが,

このように,有期社員の方にとっても,有期社員を雇用する企業の方(人事担当の方)にとっても,把握しておく点や対応を検討しておく点は多々あります。特に,準備がまだ整っていない企業の方は早急な対応が要請されます。

 

対象となる有期社員の方も,企業(人事担当)の方も,無期転換ルールに関連してお悩みがある場合には,ぜひご相談ください。