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不動産競売の手続と解説(5)

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5 マンションの競売手続

これまで説明をしてきたとおり,競売手続というのは,基本的には金銭の回収を目的とする手続になります。

不動産を強制的に売却することで,そこから生じた売買代金を債権者が回収することを目的としています。

 

ところが,競売手続の中には,系統が異なる競売があります。

それはマンションにおける競売手続です。

もちろん,マンションの区分所有者が債務を滞納し,その結果として債権者がマンションの部屋(専有部分及び共用部分についての持ち分)の差し押さえを行い,これをお金に換えて債権の回収を図るという,これまでに述べてきたような通常の形の競売もあります。
しかし,ここで解説するのは,債権の回収を目的としない競売手続です。

 

マンションでは,数十人規模,数百人規模の区分所有者が一つの建物で暮らすわけですから,その前提としてのルールが必要となります。
そのルールを定めているのが,「 区分所有法 」であり,また,規約や使用細則といった自主的な管理組合のルールです。

 

区分所有法には,区分所有者が共同の利益に反する行為を行った場合に,一定の要件下で競売申立てができると定められています。
ここにいう「共同の利益に反する行為」がどのようなものなのかについては,解釈による部分はありますが,たとえば,専有部分が暴力団事務所として使用されており,関係者が頻繁に出入りし,これによって他の区分所有者が恐怖心を抱き,平穏な生活をすることが到底できないといった場合に該当する可能性があります。

この例で明らかなとおり,ここで行う競売手続は債権の回収を目的とするものではありません。

共同の利益に反する区分所有者を追い出すことに主眼があります。

そのため,たとえば,競売の手続中に対象となる区分所有者が住居を売却し,区分所有者が交替したような場合には,区分所有者から住居を購入した新区分所有者に対して競売の申立てを行い,追い出すということはできないということになります。
区分所有者が住宅を売却し,出ていくことで,その目的が遂げられる為です。

 

実際に,共同のルールに反しないから追い出すという作業は,対象となる区分所有者にとってみれば,非常に厳しい対応になります。

そのため,この方法により競売にかけることができる場合は,かなり限定されるとみた方がいいでしょう。

 

 

> 「 不動産競売の手続と解説 」終わり