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不動産競売の手続と解説(4)

[ 専門分野編 ・ 不動産競売 : 目次( リンク ) ]

  1. 不動産競売の概要
  2. 競売情報収集の方法
  3. 競売参加の方法
  4. 競売不動産取得後のトラブル対応 <このページです>
    (1) 競売不動産の滅失・損傷
    (2) 不法占拠者が居座る場合
    (3) 賃借人がいる場合
  5. マンションの競売手続

上記のボタンから,「基本編 : 弁護士による不動産問題の解決」を最初からお読みいただけます。


4 競売不動産取得後のトラブル対応

競売手続に参加して,代金を納付して念願のマイホームを手に入れた。

ところが,次のような問題が生じることがあります。 

(1)競売不動産の滅失・損傷

滅失 」とは不動産が消失することです。

火災などによって利用することができなくなった場合などが該当します。

代金を納付した後に建物が火事で滅失した場合,買受人としては,「購入代金を戻してもらいたい。」と思うに決まっています。
果たして通用するでしょうか。

 

先ほど,代金を納付すると所有権が移転する,つまり,不動産が自分のものになると説明しました。
感覚的にどうでしょうか。

 

答えは,買受人がその負担を負わなければならないということになります。

買受人はお金を払ったけど,建物は失うということになります。

 

この問題は,代金の納付前にも買受人が負担するのかということで問題が生じることになります。

また,滅失まではいかない,「 損傷 」の場合にはどうなのかという問題もあります。

(2)不法占拠者が居座る場合

先にも述べているとおり,競売不動産を取得した後,競売不動産を不法に占拠する者がいる場合には,同人に対する明渡請求訴訟を起こし,これに従って強制執行を行うというのが原則になります。

 

しかし,これでは買受人には多大な労力と一定の費用が必要になり,引いては競売への参加そのものをためらうといった事態が生じかねません。

 

そこで,「 引渡命令 」という制度が設けられ,買受人は裁判所に対して引渡命令の申し立てを行うことで,訴訟を経ることなく「 債務名義 」(強制執行の前提となる権利関係についてのお墨付き)を得て,強制執行手続に移ることができるようになりました。 

(3)賃借人がいる場合

競売不動産に賃借人がいる場合,抵当権の設定の前後,対抗要件の具備により結論が異なります。

※対抗要件……自らが持つ権利を第三者に対抗する(自らが権利者であると第三者に主張する)ための要件です。建物賃借権の場合には,賃借権の登記又は建物の引き渡しを受けていることがこれに該当します。

 

抵当権設定前からの賃借人で対抗要件を備えている場合,賃借人は買受人に対抗することができる,つまり,買受人からの明渡請求には応じなくてもよいということになります。

 

抵当権設定後の賃借人の場合には,基本的には買受人からの明渡請求には応じなければなりません。

一定の場合には,明渡の猶予制度と賃借権そのものの登記による対抗があり得ますが,前者は最大でも6カ月の猶予,後者はそもそも賃借権を登記するということが非常に少ないことから,賃借人の保護に限界があるということになります。

 

 

> 「 5 少し系統の異なる競売手続 」へ続く