法律の世界はまだまだ未開

弁護士 守重典子

 

つい先日,脚を痛めました。

午前中まで何ともなかった状態だったのに,夕方頃から脚の付け根部分に違和感を感じ,そのうち痛みで動かすことすらできず,事務所からの帰りは脚をひきずって歩く状態に…っ。

家に着いてからは階段を上ることも座ることもできず,一晩中激痛が走り,痛くて涙が出るというのはかなり久しぶりの経験でした。

 

翌日,早速整形外科に行ったところ,「右大腿直筋付着部石灰沈着性腱炎」という,すごく長い(それとちょっと響きがかっこいい)診断名がつきました。

注射針も届かない,脚の付け根部分の奥の方に炎症ができているらしく,薬を飲んで炎症がおさまるのを待つしかないとのことでした。

 

処方されたお薬は,痛みを抑える鎮静剤と,その鎮静剤の効き目が強いため,胃が荒れないようにするためのお薬をもらいました。

ですが,お医者さんの話によると,胃薬として処方されたお薬は,確かに胃が荒れるのを防止する効果があるのですが,同時に,「なんだかよく分かってないけど,この薬に含まれる成分が,この腱炎に効くと言われているんですよー♪^ ^」とのこと。

 

医学の世界でも「なんでか分からないけど効く」なんていう未開の領域があるものなのかと思い,オドロキでした。

 

 

ただ,「まだ分からない部分が残っている」というのは,法律の世界でも同じことが言えるかもしれません。

「法律は全部,法律で定まってるから問題ないんじゃないの」と思われるかもしれませんが,その法律をどう読むかという解釈上の論点がいくつもあり,判例が集積されていない論点もまだまだたくさんあると言えます。

 

ある法律が憲法に違反するものなのではないかということについても,現在の憲法下では,裁判所は具体的な事件に付随するかたちでなければ違憲がどうかの審査もできませんから,合憲か違憲か議論がなされている点全てについての判断がなされているわけでもありません。

 

また,ある論点について判断された最高裁判所の判決があっても,その後の時代の流れによって判断が変わる場合もあります。

近時のものだと,非嫡出子の相続分についての違憲判決(「我が国における家族形態の多様化やこれに伴う国民の意識の変化」等を考慮)や,預貯金債権を遺産分割の対象に含めると判断した最高裁判例(「預貯金は,預金者においても,確実かつ簡易に換価することができるという点で現金との差をそれほど意識させない財産であると受け止められているといえる」と指摘)が挙げられます。

(なお,後者の裁判例は沼尻弁護士のブログでも紹介しています)

 

このように,法律の世界にもまだまだ未開の領域が多いほか,時の流れとともに変化する部分もあるため,常に最先端の情報に触れ,知識を更新していく必要があります。

まさに「法律は生き物」――日々研鑽が必要です。

 

 

(ちなみに腱炎の方は1週間ちょっとで回復しました!)