相続登記はお済みですか?

弁護士 金田恒平

 

皆さんは,「登記」という言葉をご存知でしょうか?

あまり耳慣れない言葉かもしれません。

マイホームを購入したり,親から不動産を相続したりしたときの,「名義変更」という言葉の方が馴染みがあるかもしれません。

 

民法177条は「不動産に関する物権の得喪及び変更は,不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ,第三者に対抗することができない。」と定めています。

これは,土地や建物を購入したり相続したりしても,管轄法務局に申請して「登記」を備えておかなければ,先んじて登記を備えた第三者から「この土地(建物)は私のものだ!」と言われたら負けてしまう,「登記」を先に備えた者勝ちということを意味しています。

 

このように,不動産の「登記」は,不動産の所有権を第三者に主張するための重要な手続きなのですが,建物を新築したり取り壊したりしたときなどの一部の場合を除き,法律上は強制されておらず,期間制限や罰則もありません。

このことが,最近,マスコミ等でも取り上げられることの多い「所有者不明土地問題」という社会問題を引き起こす大きな要因となっています。

 

不動産の相続が発生した際,相続登記を行わずに亡くなった方の名義のまま放置しておくと,時間の経過とともに次々に相続が発生してネズミ算式に相続人が増えてゆき,気付いたときには当初の相続登記を行うことが困難な状況に陥ってしまいます。

このように長期間相続登記がされず現在の所有者が把握できない土地が増加しており,2016年の時点で日本全国で約410万ヘクタールと,九州の面積(約368万ヘクタール)を上回るまでになっています。

このような状況の中,現行法では任意とされている相続登記を義務化することも検討されています。

 

いずれにしても,ご自身の権利を守るために,不動産の相続が発生したら速やかに登記をされることをお勧めします。