99.9が教えてくれること

弁護士 水口匠

 

 

ドラマ「99.9シーズンⅡ」をご覧になっていますか。

1人の刑事弁護士が,他の弁護士も巻き込みながら,捜査機関の作った記録には表れていない,隠された「事実」を徹底的に追及していくドラマです。

 

私は,弁護士もののドラマや検事もののドラマはほとんど見ませんし,見ようという気も起こりません。

やはり,視聴者に興味をもって見てもらうためにかなりの脚色をしているため(そういう意味では刑事ものや医療ものも同じなのかもしれませんが),日々弁護士の仕事をしている私としては,現実とのギャップに興ざめしてしまうからです。

 

ただ,「99.9」は,長女が熱心に見ていたことから,私も何となく目にするようになり,今では日曜日のお楽しみとなっています。

ちなみに,長女が「99.9」を見ているのは,親が弁護士だからではなく,主役である嵐のマツジュンのファンだからです。

 

「99.9」も,もちろんドラマですので,実際の弁護士の仕事とは異なる部分もたくさんあります

一つの事件のために,複数の弁護士が方々に飛び回って何日も泊り込んだり,片っ端から事情聴取をして回るというのは,時間や費用の面から言ってもやはり不可能です(弁護士の仕事って,大部分が地味です)。

ただ,刑事裁判の場面は,これまで私が見たドラマよりも,刑事訴訟法の規定に即した,実際に近い形で表現されているなという印象です。

 

そして,何より,今の日本の刑事裁判が克服できていない課題を指摘してくれています。

ドラマの中にこんなセリフがありました(一度しか見ていないので,正確ではありませんが)。

「裁判官は,検察官が集めてきた証拠だからという。検察官は,裁判官が判断者なのだからという。そして時に弁護士も自分の打算的な考えで判断してしまう。日本の刑事裁判は何のためにあるのか」

「日本の刑事裁判では,疑わしきは被告人の利益にという大原則が軽んじられている」

 

コメディの部分もちりばめられた,見やすいドラマだと思いますので,機会があれば一度ご覧になってみるのもいいかと思います。