学校の夏休みが10日間!?

弁護士 守重 典子

 

今年も夏休みの季節がやってきました!

毎年この時期になると,帰宅途中の電車のなかで,某夢の国で楽しんだ後と思われる,ポップコーンケースを首からかけた学生さんや家族連れを見かけるたび,「私もミッキー会いたい・・・」と心の中でつぶやくのが恒例となっています。

 

他方で夏休みといえば,ドッサリ積まれる夏休みの宿題もお決まりですね。

私は読書は好きだったので,読書感想文は7月中にさっさと終わらせる一方,自由研究とか,模造紙を使ったりする大掛かりなものはめんどくさくて後回しにし,結局,夏休み後半に半泣きで両親に手伝ってもらっていたような苦い思い出が残っています。

 

 

そんな夏休みですが,今,小中学校の夏休みを10日間に短縮する「夏休み10日間計画」が立ち上がっているのです。

(・・・・なんか子どもからのブーイングの声が聞こえる)

 

これは静岡県の吉田町で今議論されている計画です。

同町の計画によれば,夏休みの短縮等によって,年間授業日数をこれまでより増やすとともに,1日の授業時間を短縮する方針とのこと。

 

「なんでそんな(子どもにとって)鬼のような計画を!?」という印象をもちますが,この計画は,今,社会問題にもなっている学校の先生の長時間労働の解消を目的とする計画なのです。

 

 

文部科学省が公表した,昨年度の教員勤務実態調査結果によると,小学校では33.5%,中学校では57.6%の先生が,週に60時間以上勤務し,(週の法定労働時間は40時間なので)20時間以上の残業をしているという実態が明らかとなりました。

 

現在,業務と過労死の原因となる疾病の発症との関連性が強いと判断される基準として,

「過労死等の原因となる疾病の発症前1ヶ月間に月100時間超の時間外労働があった場合,または,発症前2ヶ月~6ヶ月の月平均で80時間超の時間外労働があった場合」

というものがあります。(いわゆる「過労死ライン」)

 

このことも考えると,調査結果で明らかとなった数値は,学校の先生がかなり過酷な勤務状況におかれていることが分かります。

 

「夏休み10日間計画」は,授業日数を増やすとともに,1日の授業時間を減らすことで,授業以外の準備作業に携わる時間を増やし,学校の先生の残業時間を減らすことを目指そうとする計画なのです。

 

 

確かに,学校の先生の残業時間については対処する必要性はありますが,一方で「夏休みを10日間にしてしまうのは子どもに酷すぎる」という意見も分からなくもないところです・・・。

 

夏休みという長いお休みが取れるのは小中高の間だけで,その期間にしか体験できないこともあるだろうし・・・。

遠方におじぃちゃん,おばぁちゃんがいるご家庭では,夏休みはお孫さんに会える貴重な機会だろうし・・・。

 

いろいろ考えると,何とも悩ましい問題です。

「夏休み10日間計画」が全国に広まるものとなるかは分かりませんが,学校の先生の残業時間の減少に向けた有効策となるのか,今後の行方が気になるところです。

 

では,コラムをご覧の方も,熱中症に気をつけて良い夏休みの思い出をつくってください♪