『爆弾散華』を観てきました

      弁護士 鈴木幸子

 

 

川端龍子という画家の没後50年を記念する特別展に行って来ました。以前にある企画展でその画家の鶴を描いた作品が印象に残っていたところ,今回の特別展のポスターに掲載されていた作品(後に『爆弾散華』という代表作と知りました。)に魅かれたのです。

 

『爆弾散華』は,2mを超える想像していたよりも大きな作品でした。終戦三日前に画家の自宅に爆弾が落下した体験を踏まえ,飛び散る庭の花々や野菜が鮮やかな色彩で,また爆弾の破片や閃光が大小さまざまな金箔を散らして描かれています(そういう絵だったんだ。)。

炎は描けなかったと言いますが,かえって鮮烈です。画家は戦争で子息も亡くしているのだそうです。

終戦後未だまもない昭和25年には,金閣寺が放火により焼失したニュースを知るや,『金閣寺炎上』を製作します。こちらは,燃え盛る炎を描き,細かい金箔で火の粉を表現しています。対照的な魅力を感じます。

さらに,「生きとし生けるもの」のありのままの姿(生命の輝き)を,濃紺の地に金やプラチナの泥を使用して(写経の技法だそうです。)その濃淡で表現している『草の実』や『請雨曼荼羅』『龍巻』などの作品群。

『鳴門』など,大画面に描く迫力に満ちたスケールの大きな作品がこの画家の一つの魅力とされていますが,私は,どちらかというと,熱心な仏教徒としての美意識をうかがわせる上記のような作品に魅かれました。

 

特別展は山種美術館で開催中ですが,この美術館の画集は持ち帰りやすいコンパクトサイズながらとても充実しているのがうれしいです。