テロ等準備罪(共謀罪)の是非

弁護士 水口匠

 

4月14日,衆院法務委員会で,組織犯罪処罰法改正案が審議入りしました。

焦点はもちろん,テロ等準備罪,つまり共謀罪の新設になります。

2000年に採択された国際組織犯罪防止条約(パレルモ条約),いまやその締結国は190か国近くになっている中で,締結していない国は日本を含め,11か国となり,その影響で国際組織犯罪の情報提供,捜査連携が滞っているともいわれています。

 

このパレルモ条約に日本も締結するためには,共謀罪の新設が必要とのことで(本当にそうなのか,あるいは今の法案で条約締結の条件が満たされているのかは議論の余地がありますが),テロの脅威も衰えを見せていない現在,新設の必要性がないとは言えないのかもしれません。

 

しかし,共謀罪は,犯罪の実行に着手しなければ罪として問うことはできないという,刑事手続きの大原則に抵触します。

捜査についても,個人のプライバシー権その他の人権を侵害される手法が,法律の名のもとに安易に合法化されるおそれが格段に高まります。

 

本当にテロなどの組織的犯罪集団に限られるのか,将来的に治安維持法の再来になるおそれはゼロなのか。

日弁連は公式に,共謀罪の成立に反対の意見を出しています。

 

政府が合法的に悪用しうる法律を認めていいのか,これまでに築き上げてきた人権保障のための大原則を曲げてよいのか,これまでの日本の暗い歴史を改めて見直す時期に来ています。