住宅宿泊事業法~いわゆる民泊について~

弁護士 河原﨑友太

 

 

政府は今年3月に閣議決定を行い,「住宅宿泊事業法」と題する法案を国会に提出しました。

この住宅宿泊事業法は,近年話題になっている「民泊」についてのルール作りを定めたものになっています。

現在は,衆議院で審議中となっています(本年4月20日時点)。

 

法案提出の背景には,

1 世界各国で展開されている民泊サービスが,日本でも急速に普及していること

2 急増する訪日外国人観光客のニーズや大都市部での宿泊需給の逼迫状況に対応すること

3 他方で,公衆衛生の確保や地域住民等とのトラブル防止に留意したルール作り,無許可で旅館業を営む違法民泊への対応が急務であること

などが挙げられています(観光庁HPより)。

 

法案の特徴としては,

住宅宿泊事業(民泊サービス)を行うに際して,都道府県知事への届出を必要としたということでしょうか。

「許可制」ではなく「届出制」にすることで「民泊サービス事業」へ参入するハードルが下げられています。

 

ということは,東京オリンピックを控え,多くの人に参入してもらいたいという趣旨なのかなと思いきや,宿泊日数の最大が年間180日に制限されていて,「収益事業」としてやるには躊躇せざる得ないような作りになっています。

 

とすると,「副業的」にやれという趣旨なのか?

 

ただ,住宅宿泊事業者には,「衛生の確保」,「騒音防止措置」,「近隣住民からの苦情対応」などの義務が課されていて,「副業的」にやるには少し参入障壁が高いような気もします。

 

果たして,何のために「年間180日」制限が存在するんでしょうか(※)。

不動産事業者であっても,年間半分の営業で利益を上げられるのでしょうか。

 

一層のこと,宿泊日数制限は撤廃してしまって,収益事業としてきちんとできるようにしたうえで,規制はしっかりしますよというほうが良いのでは。

不動産事業者はまだしも,一般の人が副業的に手を出すにはかなり抵抗を感じるような気がして,結果的に,届出をしていない違法な民泊事業を行う人が出てきてしまわないですかね。

 

皆さん,どう思われますか?

 

 

(※)報道によれば,ホテル・旅館業界からの「30日上限」という要請と,不動産業界からの「上限不要」という要請の狭間で折衷案的に採用された数字のようです。