埼玉県内の基地についてご存知ですか(3)

弁護士 鈴木幸子

 

今回は,まず,防衛医科大学校についてです。

 

防衛医科大学校は所沢市内にあり,自衛隊の軍医(医官)を養成する日本で唯一の学校です。防衛医科大学校には,防衛医科大学病院や防衛医学研究センターが併設されています。

防衛省は,2016年,防衛医科大学病院に新たに「医療安全・感染対策部門」を設置しました。防衛医学の先端の研究や衛生機能の強化を図ることを目的とするものです。これは,言うまでもなく,2016年3月の「安全保障法制」の施行によって予想される,自衛隊の海外派遣の長期化と派遣の機会の増加にともない,感染症に対する対応の必要性が格段に高まったことによるものです。今後,感染力・重篤度・危険性が極めて高い感染症に罹った自衛隊員の治療が防衛医科大学病院で行われることも予想されます。

 

周辺住民への感染の恐れは払しょくできません。

 

そして,感染症対策と言うと,「731部隊」を想起される方も多いのではないでしょうか。

「731部隊」とは,第二次世界大戦中,兵士の感染症予防,そのための衛生機能の強化を主たる任務として帝国陸軍に設置された特殊部隊です。

終戦後,実は,「731部隊」において,細菌戦に使用される生物兵器の研究開発が行われ,そのために極めて非人道的な人体実験が実施されていた事実が判明したのです。特殊部隊と言えば,南スーダンに派遣されている自衛隊のPKО部隊に,「特殊武器防衛隊」が派遣されています。

特殊武器防衛隊は,自衛隊最大の化学科部隊であり,もともとは,化学防衛隊という名称で,陸上自衛隊大宮駐屯地の陸上自衛隊化学学校に所属していました。2013年7月,化学学校において,サリンなど極めて殺傷能力の高い7種類の毒ガスが製造・管理されていたことが発覚しました。

 

次回は,「特殊武器防衛隊」及び「陸上自衛隊大宮駐屯地」についてです。