定期借家契約

弁護士 河原﨑友太


今年12月に自宅の賃貸借契約の更新を迎える我が家。
先日,その更新書類が届き,いざ必要事項の記入をしようとしたところ,契約書の冒頭に「定期借家」との文字があり気が動転。

 

何しろ定期借家契約を締結,再契約をした記憶が一切ない。

 

過去の契約書を探すも,前回更新時の契約書類が見つからず契約書探しは断念(契約書は大切な証拠となるので必ず保管しましょう!)。

 

前回の更新の際に,定期借家で再契約をしてしまっていたのか?
管理会社の単なる間違い?それとも,何か別の思惑があるのか?

 

本来であれば,「何を『定期借家』で送ってきてんだ!」と強く言ってやりたいところながら,曖昧な記憶に契約書が見つからない凡ミスも加わり,管理会社に強く出るだけの資料が集まらず,とりあえず,「契約ってどうなってましたっけ?」と何とも腰が引けた問い合わせ。

 

他方で,管理会社からの回答も「間違って送ってしまいました,すみません。」と凡ミスを訴えるもの。

 

というわけで,危うく2年後に追い出されることを回避し,無事に普通賃貸借契約書にて契約更新したわけです。

 

さて,本コラムに登場する「定期借家契約」とは,契約期間の満了をもって賃借人は必ず建物を明け渡さなければならないという契約です。
通常の賃貸借契約において要求される「正当事由」の有無を問題にせず,期間満了をもって必ず契約が終了します。
この契約を締結する場合には,①書面による契約,②期間の定め,③更新否定条項,④事前説明が必要とされています。
④の事前説明は,説明書面の交付に加えて口頭での説明も求められます。また,契約書は説明書面を兼ねることはできないとも解されています(最高裁平成24年9月13日)。
なので,今回の我が家の騒動も,④事前説明がないために,仮に契約書を返送したところで「更新否定条項」に効力はなしという扱いになり,通常の賃貸借契約の更新と同じ扱いになっていたわけです。

 

とはいえ,事前に紛争を回避できるに越したことはありません。

 

皆さん,気をつけましょう。