私の暮らし

弁護士 堀 哲郎

 

物心ついた頃,我が家には,テレビも冷蔵庫も洗濯機もありませんでした。
その他家庭電化製品の類は何もありませんでした(ラジオはあったと思う。)。
もちろん,車も電話もありませんでした。

 

「たらい」に井戸水を汲んで洗濯板を縁に掛け,衣類に固形の洗濯石鹸をこすり付け,手でゴシゴシと洗っていた母の姿が記憶に残っていますが,不思議と当時の暮らしに不自由を感じた記憶はありません。
子どもたちの遊びはといえば,缶けり,ポコペン,とけい,なわとび,竹馬,馬乗り,肉弾,ドッジボール,ボール蹴り,三角ベースボール,秘密基地の建設などで,あとは山野を駆けずりまわっていました。
わずか60年程前の光景ですが,子どもたちにとって幸せな時代でした。

 

いま(現代)はどうでしょうか。
ちまたにはものが溢れています。
とりわけ,パソコン,ケイタイ,スマホ等,通信手段の発達・普及は目を見張るものがあり,日々の暮らしは格段に便利になりました。
ただ,それで幸せかというと,決してそうは言いきれないと思う今日この頃です。
ゲームに熱中する子どもたちの姿を見て,日本,否,人類の未来に一抹の不安を覚えるのは私だけでしょうか。