○○限定

弁護士 柳沢里美


地方で行われる某アイドルグループの男性限定ライブの企画が問題となっているようです。
観客を男性に限定していることに対して,市民団体が抗議をしたそうです。


昨今,性別や年齢を限定したライブやイベントは多数行われていますが,特に問題視されてきませんでした。
それは,そのライブやイベントが民間の企業や団体が企画した純粋に私的なものだからです。
今回の男性限定ライブは,市が関与していることから問題となっているようです。


憲法には「すべて国民は,法の下に平等であって,人種,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない」(第14条第1項)と書かれており,性別による差別を禁止しています。
ここで禁じられているのは合理的な理由のない差別であり,合理的な理由のある区別は許されます。


仮に市がアイドルグループのライブを男性限定で企画したら,性別を限定することについて合理的な理由を説明することは難しいように思います。


ただ,今回のライブの企画運営はすべて民間で行い,そこに市は関与していないようで,市民団体の抗議後,市長から企画の名称の変更や女性も入場できるような対応を求められた企画運営会社はこれを受け入れず,従前どおり男性限定でライブを実行するそうです。


このアイドルグループは過去にも男性や女性限定のライブを行っているようで,観客は「限定」であること楽しみにしており,それによって盛り上がるのだろうと思います。
企画運営会社はこの1回のライブを成功させることが目的でしょう。
しかし,市の方は今後,差別的イベントに関与したと言われてしまうかもしれません。


「限定」への公的関与は慎重にしなければなりません。