親から子に読み継がれる物語

事務局a


ある日,小3の娘が「あのね,3年生になったから高学年文庫の本も借りられるようになったんだよ~。」と嬉しそうに借りてきた本の中に,松谷みよ子さんの『アカネちゃんのなみだの海』がありました。


「あれ? このお話は,シリーズになっているんだよ。最初のお話は,『ちいさいモモちゃん』。『アカネちゃんのなみだの海』はシリーズ最後のお話だよ。最後のお話から最初に借りてきちゃったのね(笑)」
「うわー。懐かしい。お母さんも子供のころに読んだよ。でも,『ちいさいアカネちゃん』までしか読んでないかも。最後のシリーズまでまた読みたいなぁ。」
「じゃあ,図書室で最初のお話から順番に借りてきてあげるね!!」

そんな,約束をしてくれました。
 
私は,小学生の頃に松谷みよ子さんの<直樹とゆう子の物語>シリーズを第三作まで読みました。
『ふたりのイーダ』で原爆,『死の国からのバトン』では公害,『私のアンネ・フランク』ではナチスのユダヤ人迫害について,どの作品にも衝撃を受け,いのちの重みと尊さについて考えさせられたのはもちろんですが,戦争や公害など人間が生み出した大きな闇に,子供心にも何ともいえない憤りをおぼえました。

物語を読んで,自分の中にはじめての感情が生まれる経験は,これらの松谷みよ子さんの作品と出会ったときが初めてだったように思います。


このシリーズは,第五作目まであることをつい最近になり知ったので,この機会にぜひ第四作と第五作も読みたいと思います。
 
おもえば,実家にも松谷みよ子さんの作品が数冊並んでいました。
たぶん,私の母も松谷みよ子さんの作品の愛読者だったのだと思います。
母から私へ。そして,私から娘へ……。

まさに我が家では,親から子へと読み継がれています。
 
ところで,松谷みよ子さんの最期のことばは「戦争のことは,絶対に忘れてほしくないわね」だったそうです。
わすれっぽい日本人。日本はいま,どこに向かっているのでしょうか。
私も,“戦争を知らない子供たち”世代のひとりです。どんどんと戦争を知らない世代が増えていくなか,戦争のことを忘れないこと,次の世代に伝えていくことは,さらに難しくなっていくのかもしれません。


だからこそ,ぜひ親から子へと読み継がれていってほしい物語たち。オススメですよ。