「子どもの話」

弁護士 河原﨑友太


我が家の長女はもうすぐ4歳。
口が達者で,いつのころからか,彼女の口から真実が明らかになることも多くなった。


例えば,先日,自宅でスーパーボールを5,6個転がしていたら,1歳になる長男が遊びだした。呑みこんだら危ないなと思い,警戒しつつ,他の作業をしていたら,長男が持っていたスーパーボールが行方不明に。
まさか呑んだかと思い,長女に聞くと,「●●君(長男のこと),スーパーボールを口から出してポイッてしたよ。」とのこと。つまり呑みこんではないということ。
しかし,もともとスーパーボールがいくつあったのかがわからず,減ったような気がして,相変わらず長女の発言の信用性を認めるにはいかない。ただ,その後,長男の様子におかしなところはなく,「あぁ,長女は本当のことを言っていたんだ。」と思う。


また,先日,どうやら保育園でひとつ上の年齢のクラスの子たちに囲まれたらしく,お迎えに行った妻がそれを目撃し,事実を確認したところ,ひとつ上の年齢のクラスの子たちがバケツに集めていたダンゴ虫をうちの子が逃がしたらしい。それで,お姉ちゃんたちに囲まれていたとのこと。
家に帰って,妻からその話を聞き,本人に聞いてみたところ,「そのダンゴ虫は自分が集めたものなのに」との発言。妻に改めて聞くと,どうやらその発言は嘘らしい。

自己防衛のために嘘をついたようである。なかなかやる。


見たものを話すことはかなり正確に言えるようになったらしい。
他方で,自分が不利になる話については嘘が盛り込まれることもあるらしい。


先日,幼稚園での性的虐待を記事にした出版社に対する名誉棄損での損害賠償請求訴訟の高裁判決が出ている。そこで問題となったのが,虐待現場を目撃したとされる園児の証言の信用性。
地裁はこれを否定し,高裁はこれを肯定したようである。つまり,園児の証言が信用に足りるものであると。


事件の詳細や,記事の内容については把握していないので,事件の内容に踏み込むわけではないが,先に述べた我が子から聞いた話を前提にすると,小さい子であっても,自らの語彙である程度表現できる子の目撃証言というものは信用に足りるのかもしれない。
ただ,理解力・表現力が十分ではなく,語彙が少ない子どもから正確に事実関係を聞きとることは至難の業だと思う。誘導なく,事実を聞きとることがどれだけできるか,一筋縄ではいかないのであろう。それが実感。