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公式ブログ 鈴木幸子弁護士の記事

クワイをご存じ?(弁護士鈴木幸子)

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なお,2015年5月以前に掲載された過去のコラムは,こちらの 浦和法律事務所の(旧)ブログのページ からご覧いただけます。



『爆弾散華』を観てきました

      弁護士 鈴木幸子

 

 

川端龍子という画家の没後50年を記念する特別展に行って来ました。以前にある企画展でその画家の鶴を描いた作品が印象に残っていたところ,今回の特別展のポスターに掲載されていた作品(後に『爆弾散華』という代表作と知りました。)に魅かれたのです。

 

『爆弾散華』は,2mを超える想像していたよりも大きな作品でした。終戦三日前に画家の自宅に爆弾が落下した体験を踏まえ,飛び散る庭の花々や野菜が鮮やかな色彩で,また爆弾の破片や閃光が大小さまざまな金箔を散らして描かれています(そういう絵だったんだ。)。

炎は描けなかったと言いますが,かえって鮮烈です。画家は戦争で子息も亡くしているのだそうです。

終戦後未だまもない昭和25年には,金閣寺が放火により焼失したニュースを知るや,『金閣寺炎上』を製作します。こちらは,燃え盛る炎を描き,細かい金箔で火の粉を表現しています。対照的な魅力を感じます。

さらに,「生きとし生けるもの」のありのままの姿(生命の輝き)を,濃紺の地に金やプラチナの泥を使用して(写経の技法だそうです。)その濃淡で表現している『草の実』や『請雨曼荼羅』『龍巻』などの作品群。

『鳴門』など,大画面に描く迫力に満ちたスケールの大きな作品がこの画家の一つの魅力とされていますが,私は,どちらかというと,熱心な仏教徒としての美意識をうかがわせる上記のような作品に魅かれました。

 

特別展は山種美術館で開催中ですが,この美術館の画集は持ち帰りやすいコンパクトサイズながらとても充実しているのがうれしいです。

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「家族教育支援法」って?

弁護士 鈴木幸子

 

今国会に「家庭教育支援法案」が自民党から密かに提出されました。

実は,第一次安倍内閣の教育基本法の「改正」に始まる「教育改革」の総仕上げとも言える重要な法案です。

 

安倍内閣の下での「特定秘密保護法」の強行採決,「集団的自衛権」の行使を容認する閣議決定,「安全保障関連法」の強行採決,つい先日の衆議院予算委員会での「共謀罪」法案の強行採決,そして,安倍政権が掲げる経済政策である「世界で一番企業が活躍しやすい国づくり」と密接に関連しています。

これらの安倍政権の政策を推し進めるためには,異を唱えることなく,与えられた任務・職務に唯々諾々と従う国民・労働者こそが必要なのです。

 

「改正」教育基本法には,「職業及び生活との関連を重視し,勤労を重んずる態度を養う」「伝統と文化を尊重し,それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養う」等,子どもの自由と個性を重んずる旧教育基本法にはなかった言葉が並びます。さらに,「教育改革」は,道徳教育の教科化,教科書検定基準・教科書検定審査要綱の改定,学校教育指導要領の改定により,学校教育の「改革」をほぼ完了し,家庭教育の「改革」に進み,「家庭教育支援法案」の提出に至ったのです。

 

この法案は,安倍首相が会長になって2012年4月に発足させた「親学推進議員連盟」が長年立法化を目指してきたもので,表向き「子どもたちのために,子育て家庭を支援する」ことを目的とするとしつつも,真のねらいは,あるべき「家庭教育」を定め,国が家庭に介入していくことにあるのではないでしょうか。

あるべき「家庭教育」とは,「親学推進議員連盟」が掲げる「伝統的な子育て」=「戦前の家庭教育への回帰」,例として,「子守唄を聞かせ,母乳で育児」「早寝早起き朝ごはん」等を挙げています。戦時中,「戦時家庭教育指導要項」で,大東亜戦争の目的を完遂するためのあるべき「家庭教育」が定められ,「母親学級」が開設されて国が家庭に介入していく構図と酷似しています。

現に,法案提出に先立って,すでに,家庭教育支援条例が各地の自治体で着々と制定されつつあります。その内容は,岐阜県条例を例にとると,家庭学級の開設,家庭教育支援員の配置などにより,あるべき「家庭教育」の普及を図る内容となっています。家庭教育を通して一定の価値観を押し付けることは,子どもの思想・良心の自由(憲法19条)や学習権(憲法26条)を侵害するとともに,家族生活における個人の尊厳(憲法24条)をも否定するものにほかなりません。

 

今,子育て家庭の支援を言うのであれば,財政的な支援等の子どもが育ちやすい環境の整備こそが国や自治体の急務だと思います。

 

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埼玉県内の基地についてご存知ですか(3)

弁護士 鈴木幸子

 

今回は,まず,防衛医科大学校についてです。

 

防衛医科大学校は所沢市内にあり,自衛隊の軍医(医官)を養成する日本で唯一の学校です。防衛医科大学校には,防衛医科大学病院や防衛医学研究センターが併設されています。

防衛省は,2016年,防衛医科大学病院に新たに「医療安全・感染対策部門」を設置しました。防衛医学の先端の研究や衛生機能の強化を図ることを目的とするものです。これは,言うまでもなく,2016年3月の「安全保障法制」の施行によって予想される,自衛隊の海外派遣の長期化と派遣の機会の増加にともない,感染症に対する対応の必要性が格段に高まったことによるものです。今後,感染力・重篤度・危険性が極めて高い感染症に罹った自衛隊員の治療が防衛医科大学病院で行われることも予想されます。

 

周辺住民への感染の恐れは払しょくできません。

 

そして,感染症対策と言うと,「731部隊」を想起される方も多いのではないでしょうか。

「731部隊」とは,第二次世界大戦中,兵士の感染症予防,そのための衛生機能の強化を主たる任務として帝国陸軍に設置された特殊部隊です。

終戦後,実は,「731部隊」において,細菌戦に使用される生物兵器の研究開発が行われ,そのために極めて非人道的な人体実験が実施されていた事実が判明したのです。特殊部隊と言えば,南スーダンに派遣されている自衛隊のPKО部隊に,「特殊武器防衛隊」が派遣されています。

特殊武器防衛隊は,自衛隊最大の化学科部隊であり,もともとは,化学防衛隊という名称で,陸上自衛隊大宮駐屯地の陸上自衛隊化学学校に所属していました。2013年7月,化学学校において,サリンなど極めて殺傷能力の高い7種類の毒ガスが製造・管理されていたことが発覚しました。

 

次回は,「特殊武器防衛隊」及び「陸上自衛隊大宮駐屯地」についてです。

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埼玉県内の基地についてご存じですか(2)

弁護士 鈴木幸子

 

今回は,航空自衛隊入間基地についてです。航空自衛隊入間基地は,航空自衛隊航空輸送の最大拠点ですが,安保関連法の施行にともない,管制塔や格納庫の建設,燃料タンクの増設が進められているほか,機上電波測定装置(相手国のレーダーの電波や航空機が交わす通信の情報等を収集するなど戦術の立案に重要な情報の収集に必要な装置)を搭載する大型輸送機受け入れのための基地拡張工事が進められています。まさに,国内輸送にとどまらず,『自衛隊の海外派遣の拠点』となります。さらに,入間市に所管を変更する予定であった28ヘクタールという広大な国有地を防衛省の所管とし,そこに,平成32年までに,『災害に対処するための拠点』(災害の中には,自然災害のみならず,テロや安保関連法が定める事態も含まれます。そして,対処に必要な人員,物資が集積されることになります)と『軍事医療の拠点』である自衛隊病院(医療研究部門も含まれます)を建設することが決まりました。この土地は,北側が入間基地に接し,南側が住宅地に接しており,付近には,病院や小学校・中学校・高校が点在しています。

 

昨年12月17,18日の両日,入間基地では,小銃・拳銃・軽機関銃を所持した陸海空自衛隊約450名,内閣官房,外務省が参加して,海外での邦人輸送を想定した大規模な訓練が実施され,航空自衛隊の輸送機2機,陸上自衛隊のヘリコプター1機,軽装甲車2台で護衛された陸上自衛隊の輸送防護車4両も参加しました。

 

有事,自衛隊の海外派遣の拠点,災害に対処するための拠点,軍事医療の拠点が集中して設置されている入間基地が攻撃の対象とされる危険は極めて高いと言わざるを得ません。前述のとおり,入間基地が住宅地に接していることを考えると,多くの市民の生命が危険にさらされているのです。そして,その危険が現実味を帯びてきたと言っても過言ではないでしょう。

 

次回は,「防衛大学校」です。

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埼玉県内の基地についてご存じですか(1)

弁護士 鈴木幸子

 

昨年4月に日米軍事協力の指針(ガイドライン)が改定され,今年の3月には安保関連法が施行されるなか,自衛隊が米軍と一体化していくきな臭さを感じていたものの,それは漠然としたものでした。10月に入って,お昼頃,事務所から浦和駅方面に向かって歩いていると轟音が響きわたりました。びっくりして上空を見上げると,自衛隊の航空機が編隊を組んで低空飛行しているのが見えました。その後何回か同じような場面に遭遇しました。〝戦争〟を身近に感じ胸が騒ぎました。この体験を機に埼玉の基地について書かれた文献に目を通してみて,安保関連法が制定されて以降,急速に埼玉県内の基地の規模の拡大と機能強化が進められていることを知り,愕然としました。

 

今回は,私の事務所にも自宅にも最も近い「陸上自衛隊朝霞駐屯地」について。来年度を目途に,陸上自衛隊全体を束ねて指揮・管理する統一司令部(陸上総隊司令部)が設置されます。それにもない,米陸軍と陸上自衛隊のあいだの調整を行うための「軍・軍」間の調整所が置かれることは避けられず,「日米同盟調整メカニズム」の重要拠点となるのです。

 

折しも,10月23日,陸上自衛隊朝霞訓練場で「自衛隊記念日観閲式」が開催され,陸上自衛隊の戦闘ヘリ・輸送ヘリ・連絡偵察機,海上自衛隊の哨戒機,航空自衛隊の輸送機・戦闘機など約50機の航空機が参加する編隊飛行や空挺降下訓練(兵員の高速輸送,パラシュート降下等侵略的性格の強い訓練)が行われました。そして,何と,編隊飛行訓練のルートはまさに私の自宅の上空だったのです! 訓練中に事故が起こったら,テロに狙われたら……。背筋が寒くなりました。

 

次回は,「航空自衛隊入間基地」です。

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「民事執行法」改正の動き

弁護士 鈴木幸子

 

民事裁判で判決が出た(例えば,交通事故などの損害賠償,貸したお金の返済,滞納した賃料の支払い,請負代金・売掛金の支払い等を命ずる判決),離婚事件の調停で養育費の支払いを約束した,のに相手方が任意に支払ってこない場合には,強制的に取り立てざるを得ません。この手続き(強制執行と言います)について定めた法律が「民事執行法」です。

 

強制的に取り立てることができるのは,相手名義の資産です。そして,相手方名義の資産の中でも最も取り立てやすい資産が預貯金です。不動産や動産類のように換価する面倒がないからです。ところが,強制執行をするには,相手方のどこの銀行の預貯金かを特定しなければなりません。従来の法律では,裁判所がそこまで調べてくれるわけではないので,強制執行を求める側が調べなければなりませんでした。私ども弁護士にもさして調査能力があるわけではないので,依頼者の方が把握している預貯金口座や相手方の住所地近辺の都市銀行の支店やゆうちょ銀行(大方の人が口座を開設しているので)に当たりをつけて強制執行の申立てをせざるを得ません。相手方も当然のことながら用心しますから,こちらが把握している預貯金口座はさっさと解約してしまうか,まとまったお金を置いておかないなどの防御策を講じてきます。また,強制執行するのには当然費用が掛かります(申立てだけで1件当たり10,000円弱,第三債務者に対する陳述催告と言って,金融機関に残額の回答を求める場合には,1件ごとに2,000円弱の追加となります)ので,やみくもに当たりをつけた申立てをするわけにもいきません。その結果は空振りに終わることも多く,結局,費用と時間をかけて判決を得ても,「かみっぺら」同然となってしまいます。特に,養育費については,子どもの成長にとって必要不可欠ですから,約束の不履行は深刻な問題ですが,養育費の取り決めをした半数が履行されていないのが現実です。

 

法務省は,以上のような現状を踏まえて,この度,早ければ2018年を目途に民事執行法を改正し,支払い義務を履行しない者の預貯金口座情報を,裁判所が銀行などに照会できる制度を導入する方向で,法制審議会に諮問しました。金融機関は,私ども弁護士からの弁護士会を通じての照会には,個人情報を盾に情報の開示を拒んできましたので,民事執行法が改正されれば,朗報と言えましょう。

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相続法の大幅改正へ向け「中間試案」

弁護士 鈴木幸子


戦後,家制度の廃止にともない,新民法のもと,新しい相続制度が規定されました。それから70年余りの年月が経過し,高齢化が進むと共に家族のあり方も多様化してきました。法務大臣の諮問機関である法制審議会相続関係部会では,このような社会情勢の変化を踏まえ,相続制度の大幅改正へ向けて議論を進め,6月21日,「中間試案」をまとめました。受任事件や家庭裁判所の調停委員の経験(生前から法定相続人間でもめることが予測されるケースでも,遺言を残しているのは稀です)から,現行法の相続制度に様々な疑問や不備を感じていた者として,問題点は含みつつも非常に興味深い内容です。法務省は,この「中間試案」を公表し,7月から9月までパブリックコメント(意見の公募)を実施して,2017年中には民法改正案を国会に提出する予定です。以下に,主な内容をご紹介しましょう。

 

〝亡くなった夫所有の自宅不動産に居住している妻の居住権の保護〟

遺産分割の対象財産が自宅不動産とわずかな預貯金のみという場合,残された高齢の妻が,親の遺産をあてにしている子どもたちから,売却処分して立ち退きを求められる恐れがあります。

第1案 遺産分割によって自宅不動産を取得する人が決まるまでの間無償で居住する権利 (短期居住権)を認める。
第2案 終身または一定期間居住する権利(長期居住権)を認める。

 

〝妻の相続分の見直し〟

永年夫と連れ添って夫名義の資産形成に貢献した妻の寄与分を認めようとするものです。

第1案 亡くなった夫の財産の婚姻後増加額×妻の法定相続分より高い割合(例えば法定相続人が妻と子の場合,3分の2)+(遺産分割の対象財産-婚姻後増加額)×妻の法定相続分より低い割合(例えば法定相続人が妻と子の場合,3分の1)

  上記金額が妻の法定相続分を超えるときは,妻が超過額の加算を請求できる。
第2案 夫死亡時,婚姻成立の日から20~30年経過しているときは,妻の法定相続分を引き上げる(例えば法定相続人が妻と子の場合,3分の2。法定相続人が妻と兄弟姉妹の場合,兄弟姉妹に法定相続分を認めない。)。

 

〝法定相続人以外の者の寄与分〟

長男の親に対し,無償で療養看護等の労務の提供をした長男の妻の寄与分を認めようとするものです。

長男の妻が,長男の親が亡くなったことを知った時から一定期間内に,法定相続人に対し,金銭の支払いを請求する権利を認める。

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「特定秘密保護法」は廃止するしかない(6)

弁護士 鈴木幸子

 

特定秘密保護法が施行されて1年半が経過した。政府が秘密情報を抱え込み,国民の「知る権利」が損なわれないようチェックする機関として,衆参両院にそれぞれ情報監視審査会が設置された。では,この間,情報監視審査会は十分にチェック機能を果たしてきたと言えるのだろうか。

 

前回でも触れたとおり,各省庁から特定秘密と指定された情報は2015年6月時点で382件に及んだ(2015年末時点で443件)。但し,特定秘密の項目リストを見てみると,例えば「国家安全保障会議の議論の結論」「日米安保協力に関する検討,協議」などのように,極めて漠然とした内容であり,指定された情報に関する文書の一覧表も提出されなかった。これでは,特定秘密の具体的なテーマすら判然とせず審査のしようもない。情報監視審査会では,聞き取り調査等で実態を把握しようと試みたようだが,案の定,各省庁は詳しい説明を拒否したとのことである。情報監視審査会は,本年3月末,さらに,政府に対し「具体的な内容がある程度想起されるような記述」にするよう求めたが,それを受けて,政府が国会に提出した2015年末時点の「特定秘密保護法の運用状況」に関する国会への報告書では,相変わらず「自衛隊の運用計画に関する情報」「警察の人的情報源等となった者に関する情報」など漠然とした表現が並んでいる。国会軽視も甚だしい。さらに,上記国会報告を見ると,2015年に特定秘密と指定された443件のうち,何と441件が秘密指定の有効期間の上限である5年間に設定されている。「必要最低限の期間に限り指定」という原則と例外が逆転しているのである。
安倍首相の肝いりで2年半前に設置された国家安全保障会議は,実質,頻繁に開催される4大臣(内閣総理大臣・外務大臣・防衛大臣・内閣官房長官)会合で意思決定がなされている。そして,4大臣会合は,安倍首相と側近の国家安全保障局長が主導しており,首相の判断で自衛隊制服組トップの統合幕僚長もたびたび出席しているという。会合の議論の内容は徹底した秘密扱い(「特定秘密の塊」と言われる)で,政策決定過程の検証は困難である。安全保障に関する重要な政策決定が,安倍首相が「国軍」と発言して憚らない自衛隊制服組トップの出席のもと,実質安倍首相とその側近の判断で行われ,国民には検証の手段すらないとは何と恐ろしいことだろう。

 

特定秘密保護法及び安保関連法制の廃止,むろん安倍政権の退陣は焦眉の急である。

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見沼田んぼ視察

弁護士 鈴木幸子

 

寒風吹きすさぶ1月下旬のある日,さいたま市の「見沼田んぼ土地利用審査会」が企画した現地視察に審査会の一員として参加した。

 

土呂駅から徒歩10分の「市民の森・見沼グリーンセンター」に集合。

車で芝川(桶川市の台地を水源とし,桶川市,上尾市,さいたま市,川口市を流れて荒川に注ぐ)に沿って南下し,大宮第二公園の中にある芝川第七調整池(ひょうたん池)を経て,昨年審査した案件の現場へ。

周辺は古い住宅が密集しており,見沼田んぼのイメージとは程遠い。

 

私の本業もそうだが,現地調査は重要である。

 

そもそも,昭和33年9月の狩野川台風による洪水をきっかけに見沼田んぼの遊水機能が注目され,昭和40年ころから原則宅地化を認めないとされた。恐らく,それ以前に建築された住宅であろうとの説明を受けた。

平成7年には,見沼田んぼの治水機能を維持しつつ,農地・公園・緑地等として利用する方針が明確に打ち出された。

さらに南下して,「(さいたま市)合併記念見沼公園」へ。隣接して,自治医大医療センターと防災センターがある。

「合併記念見沼公園」は湿地に木道が設置された広々とした公園で,さらに南に広げる計画(セントラルパーク構想)があるそうだ。

このあたりは,見沼田んぼの自然が保護されており,ほっとする。

 

さらに南下すると,広大な農地が開ける。

「大原サッカー場」も見えるが,高速埼玉新都心線が見沼田んぼを縦断している異様な光景が印象的だった。

田んぼはほとんどない。大部分が植木畑や野菜畑。「県民ふれあい農園」も点在する。

見沼田んぼで農業を営む人材を育成するための「就農予備校」研修用の畑もある。研修を終えると3年間は年間150万円の資金援助を得られるが,結局自立できずに廃業というのが現状らしい。

 

車は,見沼代用水東縁に沿って走る。

途中の國昌寺近くに「斜面林」が残っている。

代用水と接する周辺の住宅地にもその名残があちこちに見受けられ,原風景に思いを馳せる。

 

「見沼ヘルシーランド」「大崎園芸植物園」「浦和くらしの博物館」等を横目に見ながら,最終目的地である「芝川第一調節池」へ向かう。

さいたま市と川口市をまたぐ、500万トンの水を貯留できる巨大な調節池(東京ドームの20倍の広さ)である。

すぐそばを武蔵野線が走り,周辺にはマンションも建つ。

この調節池の完成と未整備区間での河川改修によって,芝川の治水安全度がさらに向上するそうである。

調整池の整備にあたっては,生息する動植物の保護のために,森や湿地,けもの道を復元するなど自然環境を守るための工夫が随所に施されていた。

構内にある事務所の屋上から見渡すと,360度の眺望が開け,夕暮れ前の冬晴れの真っ青な空が貯水池に映ってとても美しかった!

 

夕闇のなか,「見沼通船堀」(パナマ運河に先立つこと150年というのが自慢!)を見学して帰路に着いた。

 

半日,駆け足での視察だったが,見沼田んぼのほぼ全容を観察することができた。

気候が良くなったらゆっくり散策してみたい。首都圏に数少ない貴重な自然環境を次世代に引き継いでいきたいとの思いをより一層強くした。

 

とはいえ,都市化が進み高齢化などにより農業が衰退する中,広大な見沼田んぼを維持管理し,農地(そのほとんどが私有地)としても有効活用していくことは容易なことではないことも実感した。

都市開発の誘惑とのせめぎ合いのなかで,埼玉県民の見識が試される。

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「特定秘密保護法」は廃止にするしかない(5)

弁護士 鈴木幸子

 

特定秘密保護法が成立して2年たった12月3日,会計検査院が同法成立前の2013年9月に,内閣官房に対して,憲法90条の観点から条文の修正を求めていたことが明らかになった。

 

憲法90条とは,「国の収入支出の決算は,すべて毎年会計検査院がこれを検査する。」というもので,「内閣は,次の年度に,会計検査院の検査報告とともに国会に提出しなければならない。」

つまり,検査の結果違法または不当な支出があれば,内閣は国会によりその責任を問われることになる。

 

大日本帝国憲法下では,国の機密費や軍事関係費が検査の対象から外され,その結果,支出の増大に対してチェックがなされないまま太平洋戦争に突き進んでしまったことに対する反省のもと,日本国憲法では,会計検査院の検査対象に例外を認めず,「すべて」と規定したのである。

ところが,特定秘密保護法によれば,各省庁が「わが国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがある」と判断すれば,会計検査院に対し,検査に必要な文書の提出を拒否することが可能となってしまい,例外なく検査対象とする憲法90条を骨抜きにすることになりかねない。

その懸念から,会計検査院は修正を求めたのである。

 

会計検査院は内閣官房に対し,2013年10月上旬まで計3回,文書により同様の申し入れをした。

しかし,内閣官房は頑として法案の修正には応じず,各省庁に対し,「検査に支障が生じないよう,秘密事項でも検査上必要があれば提供しなければならない取扱いに変更を加えない」旨の通達を出すことで,会計検査院との間で合意に達した。

 

しかし,それから2年余り経過した今日に至るも,上記通達は出されていない。

この事実は,内閣官房の,各省庁が秘密事項に当たると判断した文書を会計検査院にチェックさせたくないとの意識の現われと言わざるを得ない。

 

2015年6月時点での特定秘密の文書数の第1は内閣官房,第2は防衛省,第3は外務省,11月末時点での特定秘密に関連する業務に従事できる適正評価を受けた公務員の9割強が防衛省所属という結果が発表された。

国会の情報監視機関である参議院情報監視審査会では,10行政機関から報告を受けた382件のうち50件について指定理由を記した「特定秘密指定書」を提出させ,防衛省指定のF2戦闘機の性能に関する情報・外務省指定の外国政府から提供された情報・警察庁指定の国際テロリズムの実行の意思,能力に関する情報の3件について各省庁に対し特定秘密の提示を求めたという。

アリバイづくりのために為されたとしか思えないものである。

 

内閣官房の前述のような意識からすれば,国民に知られたくない情報は,特定秘密保護法によって徹底的に隠し,安全保障関連法の実施へ向けて体制を整え,わが国をきな臭い方向へ引っ張って行こうとしていることは明らかである。

 

特定秘密保護法も安全保障関連法も廃止するしかない!

 

安倍内閣に危険な武器を与えておくわけにはいかないのである。

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講師をしてきました

弁護士 鈴木幸子


10月13日,去る9月19日に強行採決された安全保障関連法(以下「安保法制」と言います)を検証し,今後の課題について考える学習会の講師をしてきました。
30数名の方にご参加いただきましたが,質疑や感想が活発に出され,関心の高さがうかがえる熱気にあふれた学習会となりました。


「集団的自衛権」の行使は違憲であるということは相次ぐ憲法学者の方々の発言で,かなり浸透してきたと思いますが,安保法制は「集団的自衛権」の行使についてだけ定めたものではありません。
平時から戦時に至るあらゆる場面での自衛隊の活動について定めた1つの新しい法律とこれまでの関連する11の法律の改正法からなるものです。


憲法9条に守られ,幸いにも,わが国は戦後70年戦争というものを経験したことがありませんでした。したがって,多くの国民が戦場とはどういう状態なのか,戦闘行為とはどういうものなのか,イメージが湧いてこないのではないでしょうか。
だからこそ,戦争体験者のお話を聴いたり現在世界のあちこちで起こっている戦争報道を注視し,戦争の実態を正確に把握したうえで「安保法制」を検証する必要があると思います。
そうすることによって,字面からは見えてこない現実,「安保法制」により自衛隊が,ひいては日本国民が戦争に巻き込まれる危険が飛躍的に高まった実態が浮かび上がってくるように思えます。


学習会での私の実感です。
今後の学習会に活かしていこうと思っています。



折しも,10月16日,さいたま市議会において,自民・公明両党の賛成により,さいたま市内の様々な市民団体が活動の拠点とする「市民活動サポートセンター」(発足当時,市民と行政が協働して運営する施設として全国的な注目を集めました)の指定管理者制度をとりやめる条例改正が議決されました。

センターのオープン以来,指定管理者となって管理運営を担ってきたのは,さいたまNPOセンターですが,来年度から,さいたま市が直営することになります。


この条例改正案の提案理由は,センターが憲法9条や原発問題等の政治的なテーマについて活動する市民団体に使用されていることを問題視するものです。
これは,明らかに,市民の自由な言論,表現活動を封じようとするものであり,「安保法制」の廃止を求める国民の声がますます高まる現在の政治状況に対する安倍政権の危機感の現われではないでしょうか。


極めて重大な事態です。


提案理由のなかで指摘された14の市民団体は連名で,さいたま市議会議長宛て,即刻抗議文を提出しましたが,このような動きが全国的に広がることを危惧します。

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初めてのクワイ栽培

弁護士 鈴木幸子

 

私の好物のひとつにクワイがある。
あの独特のえぐみ,ほくほく感はもとより,ブルーのコロッとした姿が何とも愛らしい。毎年年末には購入し,お正月に食しているが,高いっ!

 

ある日のこと,さいたま市報をながめていたら,「抽選で100名の方にクワイ栽培セットをプレゼントします。」という記事が目に入った。迷わず応募した。
忘れたころに当選のハガキが届いた。
ワクワクしながら,はるばる岩槻まで出かけて行った。行列ができていた。
クワイファンは意外とたくさんいるのですね。

 

さて,「クワイ栽培セット」の中身はクワイ3個,栽培用の土,肥料,簡潔な栽培説明書,クワイのレシピが掲載されたパンフレット。
やっとのことで自宅に持ち帰った。説明書を読んでみる。
水耕栽培?? 水温が30度以上にならないこと??(どうやって測るの?)
恐る恐るバケツに栽培用の土と肥料を入れ,水をたっぷりやって,スコップでかき混ぜ一晩置いた。
土が馴染んだところで,いよいよクワイ3個を植え付ける。
クワイって,どう成長するんだろうか。1個のクワイからいったい何個栽培できるのかしらん。水温が30度を超えないようにバケツの下に簀子を敷かなくっちゃ,日よけに葭簀も。
ところが,園芸用の小ぶりの物って売ってないんですね。園芸愛好家の皆さんはどうしているのかしら。何とか代用品で済ませた。
10日ほど経った頃,古い芽を破って新しい芽が出てきた(おぉーっ!)。
ところが,2個にカビが生えてしまったのである。猛暑の中の水耕栽培ですからねぇ。カビにとっては絶好の環境ですよね。見つけては取り除いてはいるものの……。

 

果たして,この猛暑多湿の気候を乗り切って,年末の収穫にたどり着けるのだろうか。クワイのレシピをながめながら,ため息をついている。クワイが腐ってしまわないうちに,はやく涼しくなぁーれ。

 

ところで,埼玉のクワイの産地は越谷なんですって。皆さんご存知でしたか?

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「特定秘密保護法」は廃止にするしかない(4)

弁護士 鈴木幸子


特定秘密保護法は,われわれ国民の日常生活にどのような影響を及ぼすのだろうか。


(秘密漏えいの重罰化)
特定秘密保護法では,特定秘密情報を扱う公務員や民間業者が情報を漏らした場合には懲役10年以下の刑罰が科される。情報を漏らすように働きかけた民間人らに対しても,懲役5年以下の刑罰が科される。

そもそも何が「特定秘密」に指定されたかが秘密とされる以上,このような重罰を科すことは,情報を提供する側にも提供を求める側にも大きな萎縮効果を生むことになる。その結果,本来国民のものであるはずの情報がより国民に開示されにくくなる。


現在,国会では,『安全保障法案』が議論されている。しかし,自衛隊がどこに派遣されるのか,現地の情勢はどうなのか,どのような武器を持参するのか等々,法案の定める要件(法案の定める要件が全く縛りになっていないことについては言うまでもないが……)に該当するか否かの判断の前提とされる資料のかなりの部分が特定秘密に指定されるであろう。

また,国会に設置された情報監視審査会のメンバーである国会議員が知り得た特定秘密を洩らせば懲役5年以下の刑罰が科されるため,所属党内に持ち帰って議論することすら憚られることになろう。
したがって,国会によるチェックは事実上機能しない。つまり,時の政権は,有無を言わせず,国民を政権の判断に従わせることができるのである。


まずは,「国家安全保障会議」を設置して安全保障に関わる重要な情報を国家安全保障会議のもとに集約管理し,「特定秘密保護法」によって特定秘密に指定し,時の政権の判断で「安全保障法」に基づき武力の行使を発動する。

「特定秘密保護法」制定の最大の目的はこの点にこそある。

まさに,民主主義の根幹に関わる重要な問題と言わなければならない。

『安全保障法案』のみならず,「国家安全保障会議」及び「秘密保護法」も廃止するほかない。


さらに,特定秘密保護法では,秘密情報を漏らすように働きかけようと共謀する行為までをも処罰の対象にする。
ということは,共謀の恐れがあると判断された市民団体やメディア等に対する,警察による日常的な監視,盗聴,スパイなどの捜査活動を活発化させる監視社会を生み出すことになる。

戦前,戦中の「いつか来た道」を辿ることになろう。

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